オンラインゲームで作るIDの価値って一体どれくらいなんでしょうか？
人それぞれ価値観は違うと思うんですが、例えばくろねこがプレイしているゼネピックオンラインの場合、とあるIDでは1年半ほどの歳月をかけて育てたキャラがあるわけです。あとゲーム内通貨や、有料アイテム、有料アイテムを買うための通貨がIDには情報として存在します。
これらは実際のお金と直結しています。ゲーム内通貨はRMT可能ですし(利用規約でどの様にRMT規制しても、それは財産権の侵害とされています)。また有料アイテム、有料アイテムを買うための通貨はまさしくリアルマネーで買ったものです。
それでなくても、それぞれのキャラには思い入れもありますし、育てるのにかかった時間＝価値があります。

どうやらオンラインゲームを多数取り扱う「インターネットゲームポータルサイト」と自称するハンゲームは、この辺の事に関しかなり考えが甘いようです。というのも、ハンゲームのID(ハンゲームID)とパスワードを入力するページはなんのセキュリティも施されていないからです。
下記のURLはゼネピックオンラインのログインページですが...
http://www.hangame.co.jp/publish/xo/index.asp
URLを見てみましょう。最初がhttp://で始まってますね。httpというプロトコル(port no=80)で通信していることがここからわかるわけですが、このhttpというプロトコル実は暗号化されていないのです。暗号化で有名なSSL/TLSを使用しているとプロトコルはhttps(port no=443)になります。https://で始まるページは一応安心できるということになります。
(一応というのは暗号化している会社の証明書(＝暗号化キー)が偽物だったりする可能性があるわけです。)
ところで、ハンゲームで暗号化されているのは実はくろねこの知る限りハンコイン(＝ハンゲーム内で使用できる通貨)を買うときだけです。ゼネピック内のゲーム内有料通貨Xenepicポイントを購入する際に、暗号化されていたかどうか定かではありません。
このハンゲームIDは暗号化されないまま、インターネットを流れています。暗号化されていない情報(＝パケット)が流れてると、パケットモニタを使ってハンゲームIDとパスワードは簡単に盗まれてしまうわけです。だからハンゲームIDは定期的に変更しなければなりません。メインのID位は月1回くらいは変更する方がいいでしょう。IDが盗られてしまえばパスワードは書き換えられてしまうかもしれませんが、インターネットの膨大なパケットを全て監視するのは無理ですし、そもそも全パケットが自宅に送られてきているわけではありません。なので盗られることが頻繁に起こっているわけではなさそうです。
でも、ネットカフェ(漫画喫茶)やアパートの共用回線などの環境はルータまでが1つのネットワークで、1台のPCからでたパケットが全てに配信されてる場合があるようです。このような場合にはIDとパスは盗られる可能性があります。ご注意ください。

ところでハンゲームIDは変更可能ですよね。IDを変更することでずっと使われる事は無いわけです。
しかし、ハンゲームではハンゲームID以外に、M2IDと言うものが存在しているようです。
以前、ハンゲームのゼネピックオンラインで個人情報流出の際に、ハンゲームID以外にログインページからゲームを起動する際に別のIDを利用していてこれが漏れる事件がありました。この漏れたIDがM2IDだと思われます。
このM2IDユーザ側では変更できません。しかもこのIDをインターネットに流す際にも暗号化していません。それどころか先ほどのURLこれ自身にIDは埋め込まれています。
ということでページを保存するとIDも保存できてしまいます。複数の人が使うPCではキャッシュからIDとパスワードを抜き取ることが可能なんですね。(条件が合えばインターネットから抜くことも可能だと思います。)
このパスワードいつ変更されるかというと、個人情報流出の際に一度変更されたきり一度も変更されていません。
かなりセキュリティに甘い企業と言えそうです。

もし、あなたが誰にもIDとパスを教えていないのにIDを不正使用されたら...
そして、どうしても取り返したいなら...
NHN Japanのセキュリティへの取り組みの甘さを裁判で指摘して損害賠償と現状の復旧を請求するのが良いかもしれません。
100%取り返せなくとも、何割かは取り返せるものと思われます。
だって、今までにもゼネピックオンラインの運営は不法行為を行っていますし....